皆様、こんにちは。
今回担当する古舘です。
先週からラグビーのリーグワンも開幕し、本格的な冬の到来とともにウィンタースポーツが盛り上がっておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回は、スプリントパフォーマンスに対する面白い栄養介入の研究を見つけたのでご紹介したいと思います。
ご紹介するのは、100m走のタイムに対するカフェイン摂取の効果を調べたもので、立命館大学の橋本教授ら研究チームによって最近報告されたものです。
※【Medicine & Science in Sports & Exercise】2022年10月14日Online版に掲載。
【研究結果のポイント】
今回の研究は、男子大学陸上競技選手13名を対象に体重1㎏あたり6㎎のカフェイン(またはプラセボ)を摂取し、その後、100m走のタイムトライアルを行いカフェイン摂取の効果を検証しています。その結果、100m走のタイムは、カフェイン摂取することで有意に短縮し(0.14秒短縮)、また、スタートから20mまでの疾走速度が増加することにより60mの通過タイムも有意に短縮したことから、カフェイン摂取によって加速局面の初期段階のパフォーマンスが向上することが示唆されています。
※100m走のタイムは風、気温、気圧、湿度などの環境要因を補正したデータを比較
普段、飲み慣れていない選手にとっては、体重1㎏あたり6㎎のカフェインを摂取するのはなかなか大変かと思いますが、今回の研究は「短距離走に対してカフェインが有効である可能性がある」とする世界陸連のコンセンサスを後押しする内容にもなっております。もちろん、安易にサプリメントに頼ることは禁物ですが、こちらの研究は、フィールドテストを用いて競技パフォーマンスに対する栄養摂取の急性効果を示した非常に貴重な研究でもあり、短距離走のタイム向上を目指すアスリートにとって少しでも参考になれば幸いです。
【参考文献】
Teppei Matsumura, Keigo Tomoo, Takeshi Sugimoto, Hayato Tsukamoto, Yasushi Shinohara, Mitsuo Otsuka, Takeshi Hashimot. Title of original paper: Acute Effect of Caffeine Supplementation on 100-m Sprint Running Performance: A Field Test
Journal: Medicine & Science in Sports & Exercise
DOI: 10.1249/MSS.0000000000003057
以上、今回が今年最後のブログ投稿となります。
末筆ではございますが、本年も皆様に大変お世話になりましたこと感謝申し上げます。
皆様が良いお年を迎えられることを願うとともに、来年もどうぞよろしくお願い致します。
古舘