2023.05.22

はしかとは?

5月もあっという間に後半になり、真夏日を記録する日も増えてきました。
皆様はいかがお過ごしでしょうか。
さて関東圏では現在麻しん(はしか)の感染例が増えてきており、政府が注意喚起をしています。
かつては多くの子どもたちの命を危険に晒し、命定めの病と呼ばれました。
現在は知識を得て対策しておくことで、感染や重症化のリスクを少なくすることができます。

今回は麻しん(はしか)とはどういったものなのか、対策などをご紹介します。

麻しん(はしか)は、
麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です。
重篤で合併症・発症率も高い感染症ですが、麻疹ワクチンを接種することによって高い予防効果を得ることができる疾患です。

感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染します。
その感染力は非常に強いと言われていて免疫を持っていない人が感染者に接触するとほぼ100%発症するといわれてます。

<主な症状>
・高熱(39度以上)
・全身の発疹
・咳・鼻水
・目の充血・目やに
・口の中に白い斑点ができる(コプリック斑)

全身の免疫力が低下するため、多くの合併症を引き起こしやすいと言われており、
肺炎、中耳炎が主な例です。

脳炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)など重篤な合併症を引き起こすと
命に関わる事態となることもあります。
合併症がなければ主な症状は7~10日ほどで回復しますが、免疫力の回復には1か月程度を必要すとるため、それまでは他の感染症にかからないように十分注意が必要です。

治療法は特別なものはなく対症療法といった、症状を軽減するための処置がほとんどです。
また、現段階では一度感染してしまえばその免疫は一生継続するともされています。
(※2023年5月19日現在)

予防策にはワクチン接種が一番有効で、厚生労働省も接種を推奨しています。
麻しん・風しん混合ワクチン(MR)・麻しんワクチンを受けることでリスクを抑えることができます。

医学的には住んでいる地域のワクチン接種率が95%以上になれば、
集団免疫が機能するとされています。

しかし、近年麻疹(はしか)は感染例も少なく、
だんだんとワクチン接種率が下がってきているのが現状です。

そのため、ワクチン接種しておらず免疫がない人もいます。

ワクチンの定期接種が始まったのは1972年10月1日であるため、
年齢によって接種状況に違いがあります。
・51歳以上:未接種の可能性が高い(感染歴がある人も多い)
・23歳~51歳:1回のみの可能性(特例措置対象者を除く)
・23歳以下:2回打っており、ワクチンで免疫を獲得している可能性が高い

接種状況がわからない人は、医療機関にて抗体検査を受けて
しっかりとした抗体を持っているか確認することもできます。

わずかではありますが母子手帳が手元にあると自分が接種・感染したか、
確認できることもできます。

いかがでしたか。
最初にもお伝えしたとおり、
知識を得て対策を講じれば怖い疾患ではないといわれています。

コロナ禍も明けて快適な毎日を過ごすためにも、継続できる感染症対策をしていきましょう!

※当ブログだけではなく、公共機関が発信する情報も併せて必ずご確認ください。
※ 接種を受けるにあたって注意が必要な場合、受けることができない場合も
ありますので接種の際は必ず医師の方とご相談ください。

猪狩 愛

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