2025.05.12

スポーツ教育からみる組織の上下関係

こんにちは。今回ブログを担当する橋村です。

今回は題名にもある通り、組織の上下関係について、現在のスポーツによる教育を絡めてお話しをしていこうと思います。

まず初めに、この話をすることの経緯について、自身が社会人として後輩という立場から徐々に後輩を指導する立場に変わっていきつつあることに気づきました。上司やチームの先輩として指導や教育をすることについて、どうしていいか迷う部分が多かったため、学習してまとめてみようと思ったのが今回の経緯です。参考書籍として新将命さん著の「上司と部下の教科書」を写真で紹介いたします。

 

日本のスポーツ教育における組織の特徴の一つが、「上下関係の厳格さ」です。
先輩と後輩、監督と選手といった明確な序列があり、それによって秩序が保たれている面もあります。しかし、時代が変化する中で、その上下関係が各個人の自立や自由な成長を妨げてしまっているケースも少なくありません。

 

そこで鍵になるのが、「権力」「権威」という二つの概念です。

 

まずはこの2つの用語について整理をしてみます。

・権力(Power):命令し、従わせる力。ポジションや制度によって与えられる。

・権威(Authority):信頼や尊敬によって従わせる力。知識や人間性に基づく。

 

日本のスポーツ教育の中でよく見られるのは、「権力」が強く働く場面です。
たとえば

「監督の言うことは絶対」
「先輩の指示には従うのが当たり前」
「言い返すのは生意気」

 

こうした言葉は、まさに権力による支配の典型です。このような抑圧的な指導を行うことで自由な意見交換ができなくなり自主性や発言力を失ってしまう可能性があります。
しかし本来、指導とは人を成長させることであり、服従させることではありません。

 

これからのスポーツ教育で求められるのは、権力に依存せず、権威を育てる組織です。

・指導者は「地位による命令者」ではなく、「信頼による導き手」に。
・先輩は「上下関係の象徴」ではなく、「成長のモデル」としての存在に。
・チーム内は「服従の場」ではなく、「対話と共創の場」へ。

 

権威とは人間性が重要であり、その人間性とは仕事の取り組み方や組織内の人間関係について人を惹きつける魅力があることです。これは過去の功績や肩書きというのも大事ですが、実際の行動によって信頼されることが最も重要です。

これが本当の意味での「影響力=権威」です。

 

優れた人材を育てるには、まず健全な組織文化を育てる必要があります。
それは単に「強いリーダー」を置くことではなく、「信頼される存在」を増やすことです。

権力に頼った指導は、一時的な成果は出せるかもしれません。
しかし、権威に基づいた指導は、人を成長させ、チームを持続的に進化させます。

 

以上のように、これからの時代に求められるのは、「命令」ではなく「信頼」で導くリーダーです。

私自身も、ただ上に立つのではなく、人としての魅力と行動によって信頼を得られる存在を目指していきたいと考えています。

そして、そんなリーダーシップを実践し、次の世代にも伝えていけるよう努めてまいります。

 

 

橋村慶太

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